大谷翔平選手の“二刀流”を支える”「自己管理能力」とは。

2016年9月29日

4年ぶり7度目のパ・リーグ優勝を、11.5ゲームの差を大逆転で成し遂げた、日本ハムファイターズ。

夏からの快進撃を支えたのは、紛れもなく、“二刀流”で有名な「大谷翔平」選手。 投手としても、昨晩は1安打無失点での完封勝利で10勝。
野手としても、3割を大きく越える勝負強い打撃と、20本以上の本塁打を記録するなど、
”二刀流”を完全に自分のものにし、チームの勝利に大きく貢献しました。

投手でも、野手でも、充分一流の活躍をした今年は、”二刀流”を見事に実現した、素晴らしい結果だったと思います。
そんな大谷翔平選手も、最初から上手く行ったわけではありません。

恵まれた体格に、たぐいまれな野球センス。
確かに入団当初から期待はされていましたが、周りからは“二刀流は無理だ”“どちらに専念した方が良い”という声も多く上がっていました。
実際に、投手が上手くいくと、バッティングが低迷したり、
バッティングが上手くいくと、ピッチングが低迷したりする中で、
試行錯誤を繰り返して、ここまでたどり着いたのです。

そこで、今日は彼の素晴らしい野球センスとはまた違う角度で、切り込んでみたいと思います。

この夏発売された、 「いまどき世代の力を引き出す監督たち」(インプレス)

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という書籍があるのですが、

その冒頭40ページほどが、日本ハムファイターズの若手育成の対談が掲載されているのです。

日本ハムファイターズの若手選手の「人間的成長」を担う「本村幸雄」さん。
彼は、野球部を指導する高校教師でしたが、 日本ハムのスカウトである「大渕隆」さんに請われて、プロ選手の教育に携わるようになります。

高校教師である本村さんが、なぜプロ野球チームの教育に誘われたのか。

それは、本村さんが「自立型人間育成教育」(原田メソッド)に秀でていたからなのです。

本村さんは、私と同じ”原田隆史”先生の「教師塾」で、 自立型人間育成教育「原田メソッド」を学び、 現場で実践され、野球の能力と人格を両立する指導をされていました。
その人を育成する”手腕”を買われ、人間的な成長を選手育成の軸とする、日本ハムファイターズの若手育成に関わっているのです。

 

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【大谷翔平はプレイヤーとしても一流ですが、 考え方も一流です。
自分でやると決めたことを、必ず実行できる。
どんなに忙しかったとしても、やるべきことをしっかりやる。
タイムマネージメントのうまさを感じます。
周りが何をしてようと、流されることはありません。
表現を変えれば「自己管理能力」がものすごく高いですね。
ですから、
二刀流であれだけの結果が出るのは当然だと思います。】
(101年目の高校野球「いまどき世代」の力を引き出す監督たち・本村幸雄)

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大谷翔平選手は、原田メソッドの「日誌」「目的・目標設定用紙」「ルーティン」などを、大変熱心に取り組んでいるそうです。

筋力トレーニングやピッチングやバッティング技術の向上はもちろん、
実は、大谷翔平選手は「自己コントロール(管理)能力」を、普段の生活の中で目的意識を持って取り組み、高めているのです。

”二刀流”を実現するには、とても大きな壁もあったかもしれません。
しかし、
自分の目的・目標を常に意識して、自分自身をしっかりとコントロールしていくことが、大谷翔平選手の強さなのです。

誰しもが、素晴らしい能力を持っています。
その能力を最大限に発揮するには、誰が“カギ”を握っているのか。

それは「自分自身」なのです。

大谷翔平選手は、 自分自身と日々向き合い、
常に目的・目標を意識し、成長していくことで、
多くの人が“無理だ”と言った、「二刀流」を実現してきたのです。

大谷選手の能力や技術だけに目を囚われてしまうと、大事な「本質」が見えなくなってしまいます。

過去に例が無い「二刀流」を支えてきたのは、自分の心を鍛える取り組みがあったからなのであり、
明確な“ビジョン”と、それを実現するための「教育」が、彼の二刀流の大きなポイントとなっているのです。