・フィードバックとは
・フィードバックする際のポイント
・効果的にフィードバックを伝える
フィードバックとは
「人は“フィードバック”を求めて行動する」
と言っても過言ではありません。
皆さんも、何かに取り組んだ際に「周りはどう感じているのだろう」「これで良かったかな」という気持ちになったこともあると思います。
もちろん、ぶれない自分を持ち、信念に基づいて行動することも重要ですが、やはり人は行動に対してのフィードバックが欲しくなるものです。
「関わりを求めて人は生きている」のです。
特に、自分のことはあまり客観的に見ることができないので、“周りから見えている自分”を人は知りたいのです。
フィードバックの語源は「Food」から派生しているそうです。
「動物や子供に食事を与える」という意味から、情報を与える、供給するという意味で使われるようになりました。
フィードバックとは「受け取った情報を、相手に返す、戻す」という意味があります。
人と人とのフィードバックとは「相手が外に向けて伝えている行動などを、発信元である本人に返すプロセス」だと言えます。
このフィードバックによって、私たちは気づきを得て、言動や行動を修正したり、また自信をもって継続することができるのです。
リーダーとして、チームのメンバーを成長させようと思えば、“気づきを与える”正しいフィードバックは欠かせません。
フィードバックする際のポイント
まず、フィードバックをする際に、気を付ける点があります。
それは“フィードバックは受ける側に選択する権利がある”ということです。
例えば、
上司が部下にフィードバックをした時に、
「今のプレゼンテーションは、○○が分かりにくかった。」
と伝えたとしましょう。
この時に、“分かりにくい=直しなさい”になってはいけません。
よく、
「アドバイスしたのに、直そうとしない」という不満や愚痴を聞きますが、選択するのはあくまでも“相手だ”ということを理解しておく必要があります。
「命令」とか「指示」では、人は自分から行動しようとはしないのです。
あくまでもその後の行動をどうするかは、フィードバックを受けた側が考えることなので、いかに本人に気付きを与え“これは行動しなければ”と感じてもらうかが大事なのです。
理想的なフィードバックは「鏡」になることだと言われています。
皆さんも鏡を見たことがあると思いますが、どんな状況だったとしても、鏡が「あなたはこうした方が良い」とは言いませんね。
それと同じで、いかに客観的に冷静に情報を伝え、相手が気づいていない情報に気付いてもらうかが大事なのです。
リーダーはチームのメンバーの成長につながる気づきを、いかにフィードバックできるかがポイントになるのです。
効果的にフィードバックを伝える
まずフィードバックする際には、以下の2点を確認できていることが重要です。
・伝える側が、相手の目標を理解している。
・受け取る側が、フィードバックを求めている。
この前提があって、はじめてフィードバックは成立します。
フィードバックする際には、
「フィードバックして良いですか?」
と確認や同意を得ることが重要であり、それによって相手がフィードバックを受け取りやすくなります。
フィードバックの際には2つの視点を意識することが重要です。
・客観的フィードバック
・主観的フィードバック
客観的フィードバックと主観的フィードバックをリーダーは、場面などで使い分け、効果的なフィードバックをすることが重要です。
客観的フィードバック
客観的フィードバックでは、できるだけ“見たまま”“聞いたまま”を伝えることが重要です。
「今のプレゼンテーションでは、資料ばかり見ていました」
「今月はルーティンの達成度が80%を上回っています」
このように、情報を正しく相手に伝えることが客観的フィードバックではとても重要です。
気を付けなくてはいけないのは、上記のようなフィードバックのつもりでも、
「今のプレゼンテーションでは、資料ばかり見たので、それでは契約取れないよ」
など、“決めつける”ような言い方をしないように気を付ける必要があります。
主観的フィードバック
主観的フィードバックでは、客観的フィードバックだけでなく「私はこう感じました」という自分の感じた気持ちを相手にフィードバックすることも重要です。
この際に、“みんなも”とか“常識的には”などという表現は、無責任に聞こえるので止めましょう。
「今のプレゼンテーションでは、資料ばかり見て話しているので、私であれば購入したいと思えませんでした」
「今月はルーティンの達成度が80%を上回っており、私はとても嬉しく感じています」
など、私はこう感じているという主観的な思いを伝えることで、相手の行動の影響力などを伝えることができます。
フィードバックのフィードバックを受ける
フィードバックをしたら、それで終わりでは無く、どう感じたか、どう思ったかを話してもらうと、よりフィードバックが機能します。
「今のフィードバックを受けて、どう感じていますか」
と聞くことで、相手がフィードバックに対してさらに深く向かい合えるようになります。
あるいはどんなフィードバックが欲しいかを、リクエストしてもらうの有効です。
「どの点について、フィードバックが欲しいですか」
という質問も非常に良いでしょう。
私たちは“気づき”によって、行動が生まれます。
「命令」や「指示」だけでは無く、
フィードバックによって、自発的な行動が生まれるようなコミュニケーションがリーダーには求められます。
フィードバックのスキルを身に付け、チームのメンバーが成長できるフィードバックをしていきましょう!