メンバーの行動量は“リーダーの関わり方”によって決まっている。

2015年2月5日

・人は“結果”によって、行動を変化させる。

・行動に影響を与える関わりには“4つ”ある。

・リーダーが意識すべき関わる姿勢とは。

 

・人は“結果”によって、行動を変化させる。

リーダーは、チームのメンバーに“望ましい行動”をしてもらうことが必要です。

チームとして活動する以上、個人が勝手に行動する、あるいはしないというのでは、チームのパフォーマンスを高めることは難しいのです。

 

リーダーは、チームのメンバーに望ましい活動をしてもらう“方法”を知り、実践する必要があります。

 

まずは、人はなぜ“行動を起こすのか”を知っておくことが必要です。

人が行動を分析した「行動分析学」という学問がありますが、その中心になるのが「ABCモデル」です。

プレゼンテーション1_01

人の行動は「誘発要因」⇒「行動」⇒「行動結果」のサイクルによって成り立っています。

 

行動が生まれるには、何かしらのきっかけや事柄があり、これらを「誘発要因」と呼びます。

そして、何かしらの「行動」が起こり、行動の結果、良いことや悪いことなど、何かしらの結果が生まれる訳です。

この結果のことを「行動結果」といいます。

 

全ての行動は、この“ABCモデル”に当てはまるのです。

 

例えば、「来年度のプロジェクトに対してレポートを提出を求められ、新しいアイデアのレポートを提出したら、上司に“これは良いね!”と褒められた」という行動であれば、

 

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・誘発要因(A):レポート提出の機会

・行動(B):レポートを提出

・行動結果(C):上司に褒められる

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となります。

 

このような行動結果(C)「上司に褒められる」という体験をした人は、誘発要因(A)の「レポート提出の機会」を次に目にした際に、“よし、また提出してみよう!”と思い、行動することができます。

しかし、提出した際に、「何だこのレポートは!」というような叱責を受ける、行動結果であれば、次に同じような機会を目にしても、「提出するのはやめよう」と、人は行動しなくなっていくのです。

 

ここで注目すべきは、次に行動が起こるかどうか、その可能性を決めているのは「行動結果」(C)であるということです。

何か行動に移した時に、その結果がいい結果であった場合、次も同じ行動を取る確立が高まり、悪い結果であれば、同じ行動を取る確立が下がるのです。

行動とは、“誘発要因(A)よりも、行動結果(C)に大きく影響を受ける”ということなのです。

 

・行動に影響を与える関わりには“4つ”ある。

リーダーは、チームのメンバーに“望ましい行動”を繰り返してもらおうと思えば、何をするかという行動要因も大事ですが、行動に対して“どう関わるのか”という行動結果をマネージメントすることが重要です。

 

人の行動に影響を与える行動結果には4つの種類があります。

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①承認による行動強化

②脅迫による行動強化

③処罰による行動弱化

④無視による行動弱化

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人は行動した後に、これらの4つの行動結果のうちのどれかを手にします。

1つずつ見ていくと、

 

①承認による行動強化

「レポートを提出したら、“期限にまでにお疲れ様”と、認められた」

「目標を達成できたら表彰された」

など、自分が行動した後に、期待した反応がある状態です。

人は、行動した際に、認められたり、褒められたりすると、その行動を繰り返したり、行動量を増やそうとします。

“もっと認められたい”という承認欲求が刺激され、さらなる行動に結びついていくのです。

 

リーダーの皆さんは、普段の行動を“当たり前”だと思っていないでしょうか

そうでは無く、チームのメンバーが望むような行動をしているのであれば、行動に対してしっかりと認めていくことが大切です。プレゼンテーション1_02※縦軸は行動量や成果、横軸は時間を表す。以下同じ。

 

 

②脅迫による行動強化

「できなければ減給だ」

「やらなかったらどうなるか分かっているんだろうな」

など、“脅迫”や“脅し”によって行動を促している場合です。

怒られるから取り敢えず行動するという状態なので、怒られない程度にしか行動しなくなります。

さらに、怒られない状況になれば、全く行動しなくなってしまいます。

怒る先生の授業では真面目にしているが、そうでない先生の授業では全く行動しない場面も同じです。

恐怖政治でのチームマネージメントは、いつか限界にきてしまいます。

プレゼンテーション1_03

③処罰による行動弱化

「何だこのレポートは!やり直せ!」

「そんなアイデアで、成果が出るのか!」

など、厳しい叱責を受けると、人は行動をしなくなっていきます。

行動すると嫌なものが手に入るという状況なので、行動しなくなってしまうのです。

行動することが大事だと言われたので、どんどん新しい案件にチャレンジしたら、何を勝手に行動しているんだと怒られたという場面でも、だったら行動するのをやめようとなってしまうのです。

プレゼンテーション1_04

④無視による行動弱化

「レポートを提出したが、何の反応もない」

「目標を達成したが、特に声掛けも認められることも無い」

など、行動に対して“無視”をされる状況です。

行動に対して、自分が期待する反応が無いため、行動が減少してしまいます。

欲しいものが手にはいらないので、行動しなくなってしまうのです。

そして、無視されると、人は一時的に行動を爆発的に増加させます。

例えば、お菓子を買って欲しい子どもが、親に無視されると、買って欲しいと駄々をこねて床に寝転がったりして暴れるのと同じです。

これを「無視による暴発」といいます。

 

しかし、一時的に行動が増加しても、これは無駄だと感じると、行動はゆるやかに減少していくのです。

承認しないのは、無視をしているのと同じです。

行動に対して認めなければ、やがてチームのメンバーは行動しなくなっていくのです。

プレゼンテーション1_05

・リーダーが意識すべき関わる姿勢とは。

リーダーは、チームのメンバーに対しての関わりを意識する必要があります。

今、チームのメンバーの行動の習慣は、リーダーの行動結果を受けた結果なのです。

チームのメンバーの行動を、もう一度客観的に捉え、リーダーとして、どんな行動結果を与えることができるかを考え、望ましい行動を取れるチームを目指していきましょう。