・リーダーは、仕事を自分一人で抱え込んではいけない。
・仕事を任せることで、メンバーは成長する。
・仕事を任せる際の“ポイント”とは。
リーダーは、仕事を自分一人で抱え込んではいけない。
私が多く出会うリーダーは、みなさん真面目で責任感が強く、一生懸命に働かれている方が多いです。
もちろん、バリバリと働く姿勢は素晴らしいものですし、本人もやりがいもあると思います。
しかし、
チームの成長やパフォーマンスを考えた時には、仕事を一人で抱え込んではいけないのです。
私が一番の弊害だと感じるのは、「その人でなくてはできない」という“属人的”な仕事のやり方になってしまうことです。
「Aさんは、能力もあるし、やる気もあるからできるけど、私には・・・」
と、誰もリーダーをやろうとしなくなってしまうのです。
さらに、属人的なので、その人がいなくなった途端に、急に仕事が回らなくなってしまうのです。
急な病気や事故など、何が起こるかわかりません。
“リスクマネジメント”
の視点からも、自分一人で仕事を抱え込むことは、チームのためにも良いことではないのです。
・仕事を任せることで、メンバーは成長する。
チームのパフォーマンスを向上させようと思えば、一人一人の成長は欠かせません。
人の成長とは、言い換えれば「セルフイメージ」(=自信)の向上なのです。
セルフイメージとは、
「自分はできる!」という、自分自身に対してのイメージになります。
リーダーは、チームのメンバーのセルフイメージを、計画的に高めていく視点が必要になりますが、そこで大切なのが「仕事を任せる」ということなのです。
セルフイメージを高める、一番シンプルで強力な方法は、「できた!」を積み重ねることです。
目標を設定し、それを達成させる。
その繰り返しの中で、人はセルフイメージが高まり、成長していきます。
ここでポイントは、「小さな成功体験でOK」だということです。
何か目標達成というと、難しいことをしなくてはと思う人もいると思いますが、そうではなく、小さな成功を積み重ねるということが大切なのです。
チームのパフォーマンスを高めるには、個人のパフォーマンスを高めることが欠かせません。
そのためにも、小さな仕事からメンバーに任せ、成長する機会を意図的に作っていくことが大切なのです。
・仕事を任せる際の“ポイント”
「仕事を任せる」
と言っても、ただ丸投げしていてはいけません。
そこで、私が考える、お互いに気持ち良く仕事ができ、メンバーの成長につながる依頼の仕方を3つお伝えします。
①ゴールを明確にする。
・何のためにという「目的」を伝える。
人は、意味の無いものにはやる気が起きません。なぜ、これをしなくてはいけないのか。なぜ、あなたに頼むのか。など、取り組む仕事の「目的」を明確にしていきましょう。
・「出来上がりのイメージ」を合わせる。
ここが仕事を任せた時に、陥りやすいポイントです。リーダーとメンバーの出来上がりのイメージが合っていないので、出来上がって初めて、「これは違う!」となってしまい、メンバーも「聞いてないよ!」とトラブルになってしまうのです。
できれば、出来上がりのイメージの写真や実物などを、一緒に確認することで、出来上がりのイメージを共有することができます。
②マニュアルを渡す
良く、「自分で考えてやってみて」というリーダーがいますが、ただでさえ忙しい時に、自分で考えてやってみてというのは、あまりにいい加減な仕事の任せ方です。
そうでは無く、「こうすれば出来るよ」という“マニュアル”を渡すようにしましょう。
これは、簡単なチェックリストのようなものでもOKです。
あるいは、資料でれば、“フォーマット”を渡すのも良いと思います。
その形通りに作れば、誰でも合格ラインのものが作ることができるという、マニュアルを渡せるようにしておきましょう。
③常に目を離さない
「任せたから、あとは口出ししない」
というのも、リーダーとしては大事な姿勢かもしれませんが、“放っておく”というのは、任せているのでは無く、無責任でしかありません。
本人に任せながら、“目を離さない”という姿勢が、メンバーに安心感も与えるのです。
できれば、途中の進捗を確認する「マイルストーン」的な場があるといいと思います。
ギリギリになって、“何も進んでいない”という状況を回避することができます。
もちろん、あれもこれも口出しするのは厳禁です。
任せながらも、いつでもフォローできる状態を作っておくことが、リーダーの非常に大切な姿勢になります。
だからこそ、リーダーは“余裕”を持って、常に行動するようにしてください。
「いつでも相談に乗るよ」
という姿勢が大切ですからね。
仕事を任せることで、チームのメンバーを成長に導き、パフォーマンスを高めていきましょう!